オリンピックがなくなった世界線で
「今日大阪何人だと思う?」
「165ぐらいかな」
「攻めるねえ。ちなみに俺は116。実際の数に近い方が勝ちね。負けた方はラーメン奢る」
「え、なにそれ。ちょい待てって」
みたいな会話をする日が来るなんて夢想だにしていなかった。まるでジェットコースターのような人生だ。
どの時点で舵取りを間違えたのかわからないから、反省のしようがないけれど、いつの間にか僕たちはトーキョーニーゼロニーゼロがない方の世界に迷い込んでしまった。まあ私の不徳の致すところですね。
感染拡大地域に住む僕たちは、もう、なんというか、諦めている。「集まったらそりゃ『出る』よな」と。「今〇〇へ行くの危険ですよねー」なんていう段階ではないのだ。今この星で出歩き、電車に乗り、呼吸をすることがリスクなのだ。
何を書こうか迷っている。
先日同僚とゲーセンに行ったことを書いていいのだろうか。カラオケに行ってオレンジレンジを皆で歌ったことを書いていいのだろうか。「密」を気にする世界が、フリック入力をする指の動きを鈍らせる。
まあなんでもコロナのせいにするのはよくないですね。ぼちぼちやっていきましょう。